朗報が届きました。この度知り合った葛尾村の好青年(40代)川島さんからフェイスブック経由で本当にうれしい便りが届きました。 「震災後、初出荷が可能となる葛尾村の27年産新米放射性物質検査済み!ND(未検出)福島に幸多かれ」と。 これは前にお知ら…
筆者は徳島県出身で、生まれ故郷は麻植郡美郷村字峠という田舎田舎した名前の、のどかな村です。三歳までをこの四国山脈山中の農家の家屋で暮らしました。この家屋は明治年間に建てられ築130年以上になりいまでも立派に建っています。その後は吉野川流域の鴨…
田畑の美しい風景はお百姓さんたちの何十年何百年かけた血と汗の涙の結晶なのです。操さんの田んぼは除染業者によって表土が5cm削られたので、当然稲作にはその分の土をどこからか供給して補わなければなりません。操さんはその土を山の土に求めて田んぼに入…
一度放射能に汚染された田んぼを再生するのがいかに難しいかがようやく少しだけわかりました。ますは田んぼの表土を5cmぶん削り取る。ところがそれを放置しておくと雑草やら木が生い茂りあっという間に草っ原になってしまいます。そうなるとすき起こすことも…
8月31日半年ぶりに葛尾村を訪れました。折しも「ふるさとへの帰還に向けた準備のための宿泊」(準備宿泊)が開始された日でした。知人から松本操さんが稲作を始めたと聞いて驚き、翌日松本操さんを訪ねて、お忙しい中葛尾村をまた案内してもらいました。そ…
桜前線がゆっくりと北上してようやく福島県三春町に届いたとの知らせがありました。三春町は意外と涼しく北に位置する福島市の方が幾分暖かく果樹栽培にも適しているとのこと。先日三春町を訪ねた時参加してくれた大学生が「お母さんから三春町の名前の由来…
葛尾村には重要な村祭りが三つある。 葛尾川と野川の合流点で村役場のある落合を中心とすると、大まかに、東に野行集落、西には上野川と野川集落、北西に葛尾集落があり、それぞれの集落に伝統的な村祭りがある。葛尾村を知るには次の地図しかない。なにしろ…
葛尾村を案内してもらった3月21日は春のお彼岸であった。仮設集会所の前で白岩さんを待っていると、村人が「今日はお彼岸だから葛尾は大賑わいだよ」と声をかけてくれる。 峠を越えて最初に見えてくる集落は上野川で、街道から斜面に広がる墓地に向かって村…
今回の訪問は、葛尾村の昔話や、かつて村の子供たちがどのように遊んでいたのか、どんな楽しみがあったのかを伺い、できれば文章に起こしたり、昔話を紙芝居にしたり画集にしたいと思って、おばちゃまたちに集まっていただけないかと松本操さんにお願いをし…
三春ダム湖畔から遙か遠くに雪を頂いた安達太良連峰を望む。 「ほんとの空」 3月21日に朝早くから葛尾村をゆっくりと案内してくださった白岩寿喜さんには本当にお世話になった。また多くのこと、まずは葛尾村を取り囲む山や峰の名前を教わった。街道のうね…
取材協力をしてくれた法政大学三年生の伊藤さやかさんからメッセージがとどきましたので全文紹介します。 まずびっくりしたのは、みなさんとっても訛っているのに「今日(2015.3.20)はクリニックの日だがらぁ」と病院ではなく"クリニック"と言っていたこと…笑…
http://youtu.be/1ymoiZgTsXIすみません、動画がアップできていないようです。しばしお待ちを。3月20日午後、三春町斎藤里内仮設住宅に避難されてる葛尾村の村一番をかつて競った美人おばちゃんたちに集まってもらいました。ここは仮設住宅の集会室、普段は…
福島では時間は流れない、重苦しく積み重なっていく。降り積もり静かに層をなしていくがなかには異物のように結晶していくものもある。 三春に着いた3月19日夜の飲み会は重い話題から始まった。 「この頃どうも近所の人に疎まれているような気がする」 「早…
葛尾村には水量豊かな川が流れている。野川は葛尾川に合流して高瀬川渓谷となり太平洋に注ぐ。高瀬川渓谷はどこか、かつて家族と訪れたことのある奥入瀬渓谷の趣があった。渓流に取り残された流木に腰掛けて、少しだけ両手に水をすくい飲んだことを思い出す…
葛尾村を幻に終わらせないための案がもう一つある。これは葛尾村と、隣接しない限界集落を合併させる案だ。平成の大合併などで多くの隣接する市町村が合併したが、限界集落が現実になりつつある現在、緊急の政策として地の利を生かした隣接しない村同士で合…
葛尾村を全村除染するのは不可能というしかない。現場を見てどれほどの土、水、植物が汚染されているかが分かった。 東電が昨年2013年8月に福島原発で行われたがれき撤去時に大量の放射性物質が飛散して南相馬市の水田を汚染したことを認めたように、除染手…
話は葛尾村の取材を終えた午後にさかのぼる。集会所で籠編みをしていたおばちゃんたちの話に混ぜてもらった。とりとめもない話の最中に窓の外を見れば、村の無料バスが到着して何人かのおばちゃんたちが降りてくる。「○○ちゃん、今日も村に帰ってたんだね」…
動物行動学者ローレンツはハイイロガンの卵を人工孵化してガチョウに育てさせようとした。ガチョウが孵化させた雛はガチョウの親の後について歩いたが、ローレンツが自分の前で孵化させたところ、その雛はローレンツを追いかけるようになった。最初に見た動…
子は親に従い、下のものは上の言うことにただ従う、そんな時代はもう過ぎ去ったのだろうか?誰もが自分の意見を持てるようにはなっている。ただ、それをきちんと相手に伝えるには、まず、人を傷つけずにきちんとものを言う訓練と、それでもなおおそれずに言…
葛尾川(合唱) - YouTube 葛尾村役場ホームページで見つけた「葛尾川(合唱)」をシェアさせていただいた。 葛尾川の四季折々の映像に優しいメロディーと心温まる合唱が見事にマッチしている。 西から東に流れる野川と、北から流れ出た葛尾川が落合で文字通…
葛尾村の住民の8割方が「松本」姓であると松本操さんからうかがった。さらに残りの2割の住民は「松本」姓ではないものの松本との親戚筋に当たるとのこと。驚いた。まるで歴史小説の忍者ものに出てくるシチュエーションである。きわめて閉鎖的で独特の文化を…
葛尾村に関わるようになったきっかけは、web上で春休みのボランティア先を探しているときに、たまたまamebaブログ「福島の現実-福岡百子の声」を目にしたからだ。そのブログの中で福島さんは「第2原発をかかえる富岡町の方々が避難している仮設住宅で、必要…
仮設住宅の集会室でお話を伺ったおばちゃんの一人がこう言った。「わたしら時々、無料バスに乗って自分の家を見に帰るんだけど、長袖で肌を隠して口にはマスクをしていく。夕方帰ってくるとまず服を脱ぎすぐに洗濯、マスクは棄てる。時にはいらない服を着て…
夏の福島を訪れるのは初めてである。とは言っても春先に一度来ただけだから、合わせても2度しか来ていない。これまで何度かの家族旅行と、仙台市と気仙沼市のボランティアに3度参加したが、福島はいつも通り抜けるだけだった。今回福島を訪れてまず感じたこ…
「淋しかったら 帰っておいでと 手紙をくれた 母さん元気 帰りたい帰れない… 帰りたい帰れない」 (作詞・作曲:加藤登紀子) 三春町斎藤里内葛尾村応急仮設住宅の集会所で、籠作りにいそしむおばちゃんたちの四方山話に混ぜてもらった。 「おしゃべりしながら…
「夏草や兵どもが夢の跡」あまりに有名な芭蕉の句である。しかしここは平泉ではない。放射性物質に蹂躙された葛尾村のいたるところに空間線量を測るモニタリングポストがある。実物は初めてである。赤く光るデジタル表示の0.578は何を意味するのか? キ…
葛尾村は北部と東部を浪江町に隣接、南部を田村市に、西部を川俣村に隣接した寒村である。標高は450mで阿武隈高原の一角をなす。村に入る街道は二つあり、田村市船引(ふねひき)から東に向かい峠を越えるルートと同じ田村市都路地区から北上して入るルー…
葛尾村の現状マップ
3月30日福島県葛尾村から三春町の仮設住宅に避難されている松本操さんを訪ねました。葛尾村は全村が帰宅困難区域、居住制限区域、準備区域に指定され約1600人全員が村を追われたため、現在無人村になっています。村の人びとは一度会津に避難されたあと、ほぼ…