2015-01-01から1年間の記事一覧

幻の葛尾村になる前に 第三部 −5「合格!」

朗報が届きました。この度知り合った葛尾村の好青年(40代)川島さんからフェイスブック経由で本当にうれしい便りが届きました。 「震災後、初出荷が可能となる葛尾村の27年産新米放射性物質検査済み!ND(未検出)福島に幸多かれ」と。 これは前にお知ら…

幻の葛尾村になる前に 第三部 −4「水の記憶」

筆者は徳島県出身で、生まれ故郷は麻植郡美郷村字峠という田舎田舎した名前の、のどかな村です。三歳までをこの四国山脈山中の農家の家屋で暮らしました。この家屋は明治年間に建てられ築130年以上になりいまでも立派に建っています。その後は吉野川流域の鴨…

幻の葛尾村になる前に 第三部 −3「田んぼの土」

田畑の美しい風景はお百姓さんたちの何十年何百年かけた血と汗の涙の結晶なのです。操さんの田んぼは除染業者によって表土が5cm削られたので、当然稲作にはその分の土をどこからか供給して補わなければなりません。操さんはその土を山の土に求めて田んぼに入…

幻の葛尾村になる前に 第三部 −2「田んぼ再生」

一度放射能に汚染された田んぼを再生するのがいかに難しいかがようやく少しだけわかりました。ますは田んぼの表土を5cmぶん削り取る。ところがそれを放置しておくと雑草やら木が生い茂りあっという間に草っ原になってしまいます。そうなるとすき起こすことも…

幻の葛尾村になる前に 第三部 −1「気骨の人」

8月31日半年ぶりに葛尾村を訪れました。折しも「ふるさとへの帰還に向けた準備のための宿泊」(準備宿泊)が開始された日でした。知人から松本操さんが稲作を始めたと聞いて驚き、翌日松本操さんを訪ねて、お忙しい中葛尾村をまた案内してもらいました。そ…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (閑話休題)

桜前線がゆっくりと北上してようやく福島県三春町に届いたとの知らせがありました。三春町は意外と涼しく北に位置する福島市の方が幾分暖かく果樹栽培にも適しているとのこと。先日三春町を訪ねた時参加してくれた大学生が「お母さんから三春町の名前の由来…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (7)「村祭り三景」

葛尾村には重要な村祭りが三つある。 葛尾川と野川の合流点で村役場のある落合を中心とすると、大まかに、東に野行集落、西には上野川と野川集落、北西に葛尾集落があり、それぞれの集落に伝統的な村祭りがある。葛尾村を知るには次の地図しかない。なにしろ…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (6)「春のお彼岸」

葛尾村を案内してもらった3月21日は春のお彼岸であった。仮設集会所の前で白岩さんを待っていると、村人が「今日はお彼岸だから葛尾は大賑わいだよ」と声をかけてくれる。 峠を越えて最初に見えてくる集落は上野川で、街道から斜面に広がる墓地に向かって村…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (5)「水の記憶」

今回の訪問は、葛尾村の昔話や、かつて村の子供たちがどのように遊んでいたのか、どんな楽しみがあったのかを伺い、できれば文章に起こしたり、昔話を紙芝居にしたり画集にしたいと思って、おばちゃまたちに集まっていただけないかと松本操さんにお願いをし…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (4)「ほんとの空」

三春ダム湖畔から遙か遠くに雪を頂いた安達太良連峰を望む。 「ほんとの空」 3月21日に朝早くから葛尾村をゆっくりと案内してくださった白岩寿喜さんには本当にお世話になった。また多くのこと、まずは葛尾村を取り囲む山や峰の名前を教わった。街道のうね…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (3)「伊藤さやかさんのメッセージ」

取材協力をしてくれた法政大学三年生の伊藤さやかさんからメッセージがとどきましたので全文紹介します。 まずびっくりしたのは、みなさんとっても訛っているのに「今日(2015.3.20)はクリニックの日だがらぁ」と病院ではなく"クリニック"と言っていたこと…笑…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (2)「愉快なおばちゃんたち」

http://youtu.be/1ymoiZgTsXIすみません、動画がアップできていないようです。しばしお待ちを。3月20日午後、三春町斎藤里内仮設住宅に避難されてる葛尾村の村一番をかつて競った美人おばちゃんたちに集まってもらいました。ここは仮設住宅の集会室、普段は…

幻の葛尾村になる前に 第二部 (1)「コミュニテイ・ブレイクダウン」

福島では時間は流れない、重苦しく積み重なっていく。降り積もり静かに層をなしていくがなかには異物のように結晶していくものもある。 三春に着いた3月19日夜の飲み会は重い話題から始まった。 「この頃どうも近所の人に疎まれているような気がする」 「早…