「葛尾村里山再生」プロジェクト

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 3月30日福島県葛尾村から三春町仮設住宅に避難されている松本操さんを訪ねました。葛尾村は全村が帰宅困難区域、居住制限区域、準備区域に指定され約1600人全員が村を追われたため、現在無人村になっています。村の人びとは一度会津に避難されたあと、ほぼ全員が三春町に来られたということです。そのうち800人が10カ所に分かれて仮設住宅に暮らし、残りの800人が借り上げ住宅などに暮らしているそうです。
 おおむね3年がめどの仮設住宅は杭の上に設置されているため、度重なる地震や雨風雪にさらされ傷みが出始めているようです。松本さんはこうした仮設住宅の一つで自治会長をされておいでです。住民は高齢者が多く、この仮設住宅では松本さんが一番若く64歳だということです。
 今後は、希望者には復興公営住宅が提供されるとのことですが、葛尾村に帰村したいと願う高齢者が多くいらっしゃるとのことで、村おこしの手伝いをしてほしいというのが松本さんから私への要請でした。
 電話でお話ししただけでは具体的なことが分からなかったので、生活支援物資を届けるために富岡町の住民がお暮らしの三春町仮設住宅を訪ねた翌日に同じ町内に暮らす松本さんを訪ねました。

 仮設住宅に招き入れられ居間のこたつに入ってお話を伺いました。実際の仮設住宅はかなり狭く奥様と二人身を縮めてお暮らしのご様子。しかし、訥々と話される松本さんのことばの端々に葛尾村への熱い思いが秘められているのを感じ、具体的にどのような村おこしを考えて折られるのかを尋ねたところ、松本さんはくるくると丸めた3枚の模造紙持って来てコタツの天板の上に拡げました。それがここに紹介する村おこしのイラストです。
まず1枚目は、村全体に太陽光パネルを設置してそこで得られた電力を村で使用するだけでなく余った電力を東北電力に買ってもらいそれを経済基盤の一つにする。「紅葉街道」を整備して秋に観光客を誘致する。
大型ハウスを建てて新しい農業経営に乗り出す。村を流れる葛尾川を清流に戻し、林間学校など子どもたちが集う生活体験地域を創り出す。こうしたプランが書き込まれています。
2枚目と3枚目は村全体を言わばテーマパークのように各観光スポットを設けるプランです。各スポットをつなぐ遊歩道を整備し、自然散策を楽しむコースを造りたいということです。

小生はこうした素朴な情熱に惹かれることが多く、「よし何かできることはないかな」と考え始めた訳です。ただ除線はまだ70%程度しかすすんでおらずそれも居住地周辺に限られているためこうした夢を実現するのはまだまだ数年先のことでしょう。松本さんが最年少で64歳、それより年長の人びとだけが帰村する村、なかなか実現は難しく、甦った村を想像するのさえかなわないといったところでしょうか。小生はその先を夢見ています。高齢者が帰村しやがて若者が村に住み着く、家族で越してくる人も出てくる。新しい村人が新しい葛尾村を創り出す、そんな見果てぬ夢を見始めました。
 小生の乏しいアイデアだけではどうにも実現はほど遠く、みなさんのお知恵を拝借したいと思い投稿しました。どうか少しでも「こんなことをやってみればどうか」などとメールや投稿をいただけるとうれしいです。
最後の一枚は松本さんから送っていただいた葛尾村歴史マップです。このように自然と歴史が豊かな村が放射能汚染で廃村になるのはあまりに気の毒です。いつの日か村が豊かな自然と活気ある声のこだまする里に戻る日を夢見ながら第一報を終えます。